【概要】
日本災害看護学会若手アカデミープロジェクトは、2019年度より立ち上げ準備を始め、2021年度より正式に学会の活動として採択された。本プロジェクトは、若手の教育・研究・実践のネットワークを形成しながら、災害看護の課題や成すべき事業についての提言等を行うことを目的としている。
これまで、本プロジェクトは、平時であれば助かるはずの「災害関連死」に注目し、今後の大規模災害発生時にそれらを防ぐために、平成28年熊本地震における災害関連死の実態と看護職による支援活動について調査を行い分析し、必要な看護支援を検討してきた。その結果、発災後の自宅や社会福祉施設では看護支援の需要が高い一方で供給は少なく、災害関連死のリスクが高いことが明らかとなった。したがって、病院や避難所のみならず社会福祉施設や在宅を含めた保健医療福祉ニーズに対する統合的支援を急性期から継続的に行うことが必要であり、その看護支援体制の構築及び関連組織との連携や、看護職の災害関連死についての知識とケア習得のための標準アセスメントと継続フォローアップシステムの開発が急務であり提言を行った。また、本プロジェクトは、これらを基盤とし、日本災害看護学会COVID-19災害プロジェクトの中で、軽症者宿泊施設マニュアルやセルフケアガイドの作成に携わり、医療機関におけるCOVID-19対応に着目した研究を進めており、多様で複雑な災害における新たな課題についてまとめているところである。
本プロジェクトは活動開始から2年を経るが、このような活動経緯を踏まえ今後更なるネットワーク及び事業の拡大を目指す。
【ねらい】
これまでの活動を報告し、災害看護の未来に向け、若手の教育・研究・実践として今後取り組むべき課題やその方法について、活発な意見交換を行う機会としたい。また、プロジェクト拡大に向け、今後の新たなメンバーのネットワーク形成の機会とする。多くの若手の皆様のご参加をお待ちしております。
【日本災害看護学会若手アカデミープロジェクトの要件】
本学会員であり、45歳未満の博士課程・修士課程修了者またはそれと同等の者で、災害看護に関する教育・研究者およびCNS等実践家であり、未来の災害看護の課題に取り組む意欲のある者。ご関心のある方は、jsdn-ya2019@googlegroups.com にいつでもご連絡ください。